「今から間に合う?」と聞く前に——現在地を知ることの大切さと、親子で走り抜けた中学受験の舞台裏
- ユウキ先生
- 1 時間前
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こんにちは、ユウキです。「今からでも間に合いますか?」——私もこの質問を、年間で数えきれないほど受けます。正直にお伝えすると、この問いに即答できる塾講師はいません。なぜなら、
「今から東京駅に行きたいんだけど間に合う?」と、自分がどこにいるのかを伝えず、乗り物のスペックも伝えずに聞くことと同じだからです。
今日は、この「間に合う?」という問いに潜む心理と、二人のお子さんを合格に導いたある芸能人ご夫婦のサポート術から、6月のこの時期に保護者の皆さんに考えていただきたいことをお話しします。
「間に合う」と言ってほしいだけではありませんか?
中学受験に関する著書『下剋上受験』で知られる桜井信一さんが、産経新聞のコラムで興味深い指摘をされています。
「本当は間に合うかどうか知りたいのではなく、『間に合う』と言って欲しいだけなのではないか」と。
この言葉、ドキッとされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も15年以上この仕事をしてきて、同じことを感じてきました。「間に合いますか?」という質問の裏には、「大丈夫だと背中を押してほしい」という切実な願いが隠れていることが少なくありません。
しかし、桜井さんは厳しくも的確な指摘をされています。
せめて新大阪からなのか博多からなのか、新幹線を使うのか使わないのか、その程度の情報は必要
だと。つまり、お子さんの現在の学力、志望校との距離、残された時間、そして家庭で投入できるリソース——これらを具体的に把握しなければ、「間に合う」も「間に合わない」も言えないのです。
二人の娘を合格に導いたノッチ夫妻の伴走術
お笑いコンビ「デンジャラス」のノッチさんと妻の友美さんは、二人のお嬢さんの中学受験を経験されています。
長女は2021年、中学受験で第一志望に見事合格し、そして今年2026年2月には次女も「塾に行かないで自力で受験」し、中高一貫校に合格されました。
興味深いのは、長女と次女でまったく異なるアプローチを取られていることです。長女の叶望さんの受験は、日本テレビ「スッキリ」で密着取材され、家庭教師を活用しながら家族一丸となって取り組む姿が放送されました。一方、次女は塾に通わず合格しています。
次女のゆうかさんは小学2年生の時に約15万人が受けた全国模試で1位を獲得したことがテレビ番組で紹介されており、お子さんそれぞれの個性と力に合わせた戦略を立てられたことがうかがえます。
「わが家の受験は、かなりイレギュラーでした」とご夫婦は振り返られているようですが、私から見ると、これこそが理想的な親のサポートの形です。「うちはこうする」という型にはめるのではなく、目の前のお子さんをよく見て、その子に合った道を一緒に探す。長女には手厚いサポートを、次女には自主性を尊重した伴走を——この柔軟さこそ、合格に導いた最大の要因ではないでしょうか。
テキストを繰り返せば力がつくのか
桜井信一さんは、ご自身の経験として興味深いエピソードを紹介されています。
「私はここ2年間だけでも予習シリーズの4年5年6年のテキスト、日能研の5年6年のテキスト、馬渕教室の5年6年のテキストを解きました」と。
そして、
「6年のテキストを先に解いて後から5年のテキストを解くことはしません。5年のテキストから順に解く方が圧倒的に捗る」
と指摘されています。これは非常に重要な視点です。
6月のこの時期、「夏期講習までに6年生の内容を先取りしたい」と焦る保護者の方がいらっしゃいます。しかし、土台が固まっていないままに先へ進んでも、砂上の楼閣になりかねません。
小学生は今週習ったことを週末のテストであっさりと使いこなせる俊敏さを持っている一方で、そんな小学生ばかりではないから、多くの人が頭を痛めているのも事実です。
保護者の皆さまへのアドバイス:6月にすべき「現在地確認」
1学期の中間テストが終わり、期末テストを控えるこの時期。「今から間に合う?」と不安になる前に、ぜひ以下の3つを確認してみてください。
1. お子さんの「現在地」を数値で把握する
模試の偏差値だけでなく、各教科・各単元の到達度を確認しましょう。苦手分野がどこにあるのか、具体的に把握することが出発点です。
2. 志望校との「距離」を冷静に測る
第一志望校の過去問を見たことはありますか?まだ解く必要はありませんが、どんな問題が出るのか、親御さん自身が目を通しておくことをお勧めします。
3. 「乗り物のスペック」を見極める
お子さんの1日に使える学習時間、集中力の持続時間、得意な学習スタイル(書いて覚える派か、聞いて覚える派か)——これらを把握していますか?同じ目的地でも、お子さんによって最適なルートは異なります。
ノッチ夫妻のように、きょうだいでも異なるアプローチが必要なことがあります。「塾に通わせていれば安心」でも「家庭教師をつければ大丈夫」でもありません。目の前のお子さんをよく見て、その子に合った伴走の仕方を見つけていただければと思います。
「間に合いますか?」ではなく、「間に合わせるために何をすべきですか?」——この問いに変えられたとき、中学受験は新しいフェーズに入ります。
ユウキ






