【後編】併願にまつわる“すべらない話”⑤〜⑦ ~親の期待と子の気持ち、そのズレをどう埋める?~
- akira/中学受験Walker

- 2025年9月20日
- 読了時間: 5分
こんにちは、akiraです。
前回の【前編①〜④】では、「募集要項チェック」「HP活用法」「過去問ランキングの読み解き方」「合格1校の重み」など、併願戦略の基本となる視点をお届けしました。
今回は、さらに踏み込んで――
つい親がかけてしまう“我が子補正”
過去問での「年度格差」問題
子どもの志望校はどこでどう変わるのか?
といった、「あるある」だけど見落としがちなリアルな話を、エピソードとともにお伝えしていきます。
⑤ 併願で一番難しいのは「我が子補正」!
併願を考えるとき、最も慎重に扱いたいのが「我が子補正」です。
模試や過去問の結果を見るときに、ついつい「でもこの子は本番に強いから」「この学校とは相性がいいから」と、評価を上方修正してしまうことってありませんか?実はこれ、どのご家庭でも、どんな先生でも、誰にでも起こりうる“希望的観測”の罠なんです。
■ 教え子補正、過去問補正…
「国語の記述、これは丸もらえるかも」
「この学校の算数、合ってる気がする」
「1月の模試が悪かったけど、きっと今回は本気出すはず」
すべて“我が子補正”の一種です。しかもそれを裏付けるように、たまたま解いた過去問が高得点だったりすると、「これはいける!」という確信に近い期待になってしまいます。
でも、ちょっと待ってください。
その高得点の年、実は平均点がとても高かった“当たり年”かもしれません。あるいは、たまたま解きやすい出題傾向だっただけかもしれません。
■ 強気の判断=悪ではない。でも“受験校を減らす”のは危険!
「もう少し上の学校も受けてみたい」「やっぱりこのレベルも狙えそうだ」そんなチャレンジ精神は大歓迎です。
でも、それと引き換えに安全校を削るのはリスクが高い。
チャレンジ校を増やすのはOK
でも、安全校・準本命校は削らない
そして、「いざとなったら受ける」学校は、あらかじめ出願だけしておく
これが、「補正」とうまく付き合う大人の併願戦略です。
■ 実例:「1月に出願が間に合わなかった話」
実際にあったご家庭で、「まさかここまで崩れるとは…」というスランプに陥った子がいました。1月に調子を崩し、急きょ別の学校を受けることになったのですが、「出願していなかった」ために受験ができなかったのです。
MEMO
「強気」はいい。でも「受験校を絞りすぎ」は危険。
出願は「多めに準備」しておくのが鉄則。
行かない学校を削るのは簡単。でも、あとから増やすのは本当に大変!
⑥ 過去問演習では「受験者平均点」を見逃すな!
「この過去問、すごく難しかった…」「合格最低点まで届かなかった…」
過去問演習でこうした感想が出ると、不安になりますよね。でも、ちょっと冷静に「年度ごとの平均点」を見てみてください。
■ 平均点はその年の“温度”を教えてくれる
同じ学校の同じ入試でも、年度によって問題の難易度は大きく異なります。
算数の出題傾向が突然変わった
記述問題が多かった
時間配分が難しかった
こういった年度は、受験者平均点がガクンと下がっていることが多い。
逆に、平均点が70点台の年は「やさしめ」だったと読み取れます。つまり、どの年度を最初に解くかで、「その学校との相性」の印象が大きく変わってしまうんです。
■ 「最初の印象」で判断してしまわないために
「初回でズタボロだと、もうやりたくない」これは子どもに限らず、大人でもそうですよね。
だから、最初の過去問は“平均点が標準的な年”を選ぶのがおすすめ。いきなり難しい年を当ててしまうと、「この学校ダメかも…」という先入観が芽生えてしまいます。
また、子どもに「この年は難しいからね」と言うのも逆効果。あえて説明せず、「とりあえず全力で解いてみよう」というスタンスがベストです。
MEMO
「平均点65前後」が“標準年”の目安
難しい年は「あとまわし」や「力試し用」に使う
子どもには“先入観”を与えないよう工夫!
⑦ 子どもの志望は“ある日突然”変わる!
そして最後の話題は――
併願を組むうえで、最も予測不能で、かつ最も重要な要素。
それが「子どもの気持ちの変化」です。
■ 志望校って、そんなことで変わるの?
「制服がかわいかった」
「部活が強そうだった」
「学校説明会で先輩が優しかった」
「友だちも受けるって言ってた」
こういう理由で志望が変わるの?…と思うかもしれませんが、それが子どもなんです。
特に受験直前期の11月〜1月にかけて、気持ちが大きく揺れ動く子は少なくありません。
■ 実例:「野球部→サッカー部に転身」
以前の教え子で、「絶対に野球部に入りたいから早実!」と断言していた男の子がいました。ところが最終的に選んだのは、なんと麻布。しかも、入ったのはサッカー部(笑)
親も私も驚きましたが、入試本番直前に「自分のやりたいことが見えた」と語っていたのが印象的でした。
■ だからこそ、選択肢は“広め”に持っておこう
子どもは、変わります。
「最初に志望を決めた=最後まで貫く」ではなく、柔軟に対応できる準備をしておくことが何より大切。
「この学校、行くつもりはないけど、出願だけしておく」「説明会だけは行っておく」「併願パターンを複数考えておく」
これが、“ある日突然”に備える、賢い併願戦略です。
MEMO
子どもの気持ちは入試直前でも変わる!
「感覚」で決めるタイプには、選択肢を広く持たせて
5年生のうちは「学校を体感する機会」を増やそう!
【まとめ】受験とは「変化」と「ゆらぎ」を受け入れること
7つの「すべらない話」、いかがでしたか?
受験は情報戦であると同時に、“気持ち”と“現実”を行き来する繊細なバランスの上に成り立っています。だからこそ、計画と柔軟性、情報と気持ち、戦略と直感――そのすべてを併せ持つ併願戦略を、考えていきましょう。






