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執筆者の写真ユウキ先生

予習シリーズ5年上算数の攻略のポイント<予習方法・家庭学習>



新5年生の皆さまへ


こんにちは!ユウキです。いよいよ来月から新年度ですね。改定予習シリーズ3年目ということで、現場の塾講師の皆様も指導に慣れてきた頃合いだと思います。

正直、初年度の我々は、親としてもどうすべきか?を試行錯誤してきたのですが、正直5年上はめっちゃきつい。。。というのが感想でした。


まずそもそも授業で全部理解しきれない→宿題がまわらない→勉強時間が長いのに成績が上がらないという負のサイクルを経験した2024組はたくさんいると思います。


なので、しっかりとその上巻の性質を知った上で毎回の授業や家庭学習に臨ませるように、家庭で準備をしておくことをお勧めいたします。


ということで今回は、各科目でどのように学習を進めていくべきか?という観点で執筆します。ぜひご参考に!


0.前提
まず中学受験における子どもの能力というのは、そう簡単に伸びるものではありません。勉強時間をむやみに増やしたり、高額な家庭教師や個別をつけたとしても、その費用や時間コストに見合う成果は即現れないことがほとんどです。

また、目の前の成績を伸ばそうとする勉強だけを取り組んでいくと、本来培うべき思考力が養われず、小5後半になって自分で考える問題で苦戦するなどの現象が起きます。(この相談が一番多かった)


よって、ここでは、ある程度四谷大塚の組分けテストで成績を取るための戦略を記しつつ、最終的に志望校合格のためにどうすべきか?という観点を交えて書いていきます。



1.算数の5年上学習方法について ー予習のすすめー
4年下から「え?これ4年生でやるの?」というカリキュラムが組み込まれた予習シリーズですが、5年上も「え?この内容を1週間で定着させきるの?」という内容が盛りだくさんです。

よく、予習シリーズ準拠塾は「予習は不要です!うちは復習型ですから!」と、説明を受けますが、正直今回の改定予習シリーズでは、予習をしていかないとほぼ意味がありません。


まず初見で例題を理解させるのも苦戦しますし、一般的な大手塾だと授業時間は100分程度です。その中で実際に「教える時間」を考えると、たぶん長くて80分前後になります。

なので、「よほど聡明な物分かりのよい数的センス抜群の子」を除き、各単元をたった80分程度で理解させきるのは、ほぼ不可能です。


したがって、この改定予習シリーズでは「予習」はマストと言えるでしょう。


さて、その算数の予習の仕方ですが、例題を読んで類題を解いて。。。という方法が一般的です。しかし、それも「文字面を読んで、理解しながら学習を進められる、精神年齢の高い一部の子」しかできません。確かに本来の中学受験といえば、そういう一部の賢い子の受験で、「そんなこともできないなら中学受験なんてさせなくてもいいのでは?」と思う方もいると思いますが、その議論はいったん置いておきます。


さて、予習の仕方としてある程度効果的なのは、まず基本問題の大問1から入ることです。基本問題の大問1は、その単元を理解する上で最も基礎的な内容が出題されています。なので、この基本問題をまずは使用して予習をすることをお勧めします。


一応、youtubeでは大問1のみ無料公開していますので、そちらを活用いただくのがベストかと思います。この動画を視聴しながら、ノートを写し、それが終わったら再度自分で解いてみる。わからないところは動画を見て、、、を繰り返す方法で予習を進めてください。だいたい、1時間もあれば予習できると思います。


<予習シリーズ算数5年上_大問1解説:再生リスト>保存必須!


ぜひ、上記の予習をした上で授業に参加してきてください。そうすると、授業内での理解度が格段に上がるはずです。僕も実際に集団授業をした際に、1単元の例題を理解させるのってめちゃくちゃ大変だったし、算数苦手女子なんかは、本当に丁寧に解説しても、わからない!できない!と拒否反応を起こしちゃいます。そうするともう授業の時間が無駄になりますね。。。

(授業でそういう様子になっているのを親は見ることができないし、子どもは友達がいるから塾に行ってて楽しい!というので、本質的に授業が楽しいと思ってないけど、塾が楽しい!と言っている子はたくさんいます笑)


2.算数の5年上学習方法について ー家庭学習ー
さて、実際に授業を受けて帰ってきたら家庭学習です。では、家庭学習では「何」を「どのよう」に進めていくべきか?という観点で書いていきます。

家庭学習の際には、塾から宿題が課されますが、ここで注意点が1つ。

「その課題が本当にその子にとって適切かどうか?」は、家でなかなか判断できません。

※というか、塾で課される宿題は最大公約数的な内容で、大手塾は個別に指示することはほぼありえないので、みんなが一様に同じ課題に取り組むのが普通です。


例えば、Bクラスで以下のような宿題が出たとします。

・シリーズ計算1〜3

・予習シリーズ基本問題残り

・演習問題集反復基本、トレーニング


上記の内容は、だいたい定番の家庭学習指示ですが、実は上記を「ただ終わらせる」だけでは成績は伸びません。


よく僕のところにくる相談で1番多いのは

「時間をかけて宿題はやっているのに、成績が伸びない(組分けで点数が取れない)」

という内容です。


このようになってしまう原因としてはいくつか考えられるのですが、僕が自分の子どもを見たり、他のご家庭のお話を聞いて感じたのは、子どもは思っている以上に同じ問題で間違える、ということです。


つまり、上記の課題をとりあえず解いて、直して宿題は終わり!という勉強の方法では、この重たいカリキュラムの予習シリーズは定着させられないのです。


家庭学習の目的は、本来「その単元の理解と定着」です。この定着の部分は、塾ではコミットできない要素なので、どうしても家庭で親子で頑張らせざるをえません。


なので、「定着までいかに家庭でやらせきれるか?」が中学受験算数である程度の成績を伸ばすポイントかな、と思います。ここからは、ある程度成績別に、どんな学習方法が効果的か?を書いていきます。


3.コース別算数家庭学習のポイント
①Aコース向け

Aコースの生徒の課題としては、シリーズ計算をコピーして、まずは計算を何回も取り組ませることです。同様に、基本問題の左半分も繰り返してください。シリーズ計算は、ステップ問題という応用問題は不要です。また、できればスペースが小さいので直接書き込みではなく、ノートに式を書いて取り組めるといいと思います。まずはシリーズ計算で10分で完答できるようになってください。同様に、予習シリーズ基本問題大問1、例題1〜3、類題1〜3までを、最低3回は反復させるようにしましょう。演習問題集は使わないでOKです。予習シリーズを徹底して反復してください。


②Bコース向け

Bコース生は、目指せ偏差値50ラインと目指せCコースでは家庭学習の取り組みは変わってきます。


目指せ偏差値50ラインの場合は、Aコース同様にシリーズ計算を確実に丁寧に取り組ませてください。時間を測らずに、ゆっくりでOKです。計算は早さより丁寧さ重視です。間違えた計算はノートに解き直しをさせましょう。


予習シリーズは、基本問題全部を1週間で3回繰り返し解くことを推奨します。その際に、正しい解き方で解かせるようにしてください。正しい解き方というのは、筆算だけでぐちゃぐちゃ解くのではなく、教わった解法を使って解くことを指します。具体的には僕の動画で解説をしていますが、基本動画の真似をできるようになるまで繰り返すことが一番伸びます。ここで時間がかかる場合は演習問題集は不要です。


目指せCコースの場合は、予習シリーズの反復でそこまで時間がかからないはずです。したがって、演習問題集の反復基本とトレーニングに取り組みましょう。できればトレーニングは2回反復させてください。(意外にこのレベルができないBコース生が多い)まだ練習問題までいかなくてOKです。まずは基本問題徹底がベストです。

ちなみに、組分けテストでは本質的な意味で基本問題が定着していれば、偏差値52くらいまでは届きます。むしろ届かない場合は、基本問題の定着や解法に問題があると思っておきましょう。


③Cコース向け

さて、Cコース以上のお子様の場合は、シリーズ計算は下のステップ問題までやりきましょう。複雑な計算を丁寧に仕上げる力が最後の最後で生きてきますし、最近の難関校はゴリゴリ計算させる問題ばかりなので、丁寧かつしっかりとした計算力は最重要要素となります。


また予習シリーズ内容ですが、練習問題の左半分までを定着させられるようにしましょう。これでY60まで組分けで届くレベルになります。予習シリーズ練習問題左半分、演習問題集 反復基本と反復練習の左半分、ここまでを繰り返し解きましょう。


上記同様に、正しい解き方ができるようにすることが最重要です。またさらなるレベルアップのために「別解を検討する」という勉強も重要です。1つの解き方だけではなく、他の解き方はないか?ということを探させましょう。

また、目指せSコースの場合は、予習シリーズ右半分と演習問題集実戦問題まで。最難関問題集は算数偏差値63以上なら取り組みましょう、というレベル感です。


④Sコース向け

さて、Sコースともなると、カリキュラムの理解という考えはあまり重要ではなく、むしろ予習と先取りで5年上が始まった時に、もう例題と基本問題は終わっちゃったよ〜!くらいがちょうどいいです。というか、そうじゃないとたぶん最難関は厳しいと思います。

なので、時間を割くべきは演習問題集の実践問題と最難関問題集の応用Aです。もちろんシリーズ計算なども定期的に取り組んで欲しいですが、ある程度「跳ねた算数力」を身につけるためには、このくらいのレベルで取り組んで欲しいと思います。毎週のことをそのまま毎週やる、ではいつかSコースから陥落します。

昨年でくと、予習方法としては僕の基本問題動画を見てわかるところはちゃっちゃと自分で進めちゃう方法です。予習の段階でひとまず基本問題まではさらっと理解してしまいましょう。


その上で、入試問題で定番といわれるパターン問題の消化を始めてください。具体的には東京出版のプラスワン問題集、または早稲アカのバックアップテキストに取り組むのがベストです。ただし、夏前までは5年上の範囲にとどめていただいてOKです。(くもんやそろばんで一定以上の計算力があるなら別)


そして、できれば趣味算数の要素として、毎月の「中学への算数」の定期購読を開始してください。このテキストの使い方はまた別途書くとしますが、早くから入試レベルの算数に触れておくとよいと思います。



4.まとめ
ここで書いたことは、過去会員さんや個別にに相談があった方にアドバイス・実践してもらって成果が出た内容となりますので、ぜひ頑張って取り組んで欲しいと思います。中学受験スリースターズでは、いつでも見られる動画コンテンツだけではなく、タイムリーな学習相談もコミュニティの中で可能です。

まずは会員登録をしていただくことをお勧めします!会員登録すると、僕と大谷先生が答えた質問箱のQ&A集「本当に知りたい中学受験」という電子書籍がダウンロードできます。ぜひ、一度お読みいただけると嬉しいです。(画像をクリックすると本の紹介ページに飛びます)





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