中学受験を完遂するということ
- 倉田 宙
- 2024年3月11日
- 読了時間: 5分

皆さま、新年度初の組分けお疲れさまでした。成績が良かった方も、成績が振るわなかった方も、今回のテストを糧にし、春期講習会を有効に活用して、次のテストに臨んでいただければと思っています。
さて、昨年、Twitterにて目に入ったツイートをご紹介します。
6年生の最初の組分けテストで過去に類を見ないレベルで最低の偏差値を取ったことによって、父親主導ではじめ、子供もやる気になっていた中学受験を父親主導で突然ほぼ強制的に断念することになった。というツイートが界隈で話題になっておりました。
ツイート主はお母様と思われる人物で、塾の費用も旦那様が出しているため、決定に逆らえない、という状況のようでした。
これに対し私としてもコメントしたいこと、ツッコミを入れたいことは多々ありましたが、敢えてかなり回りくどい方面から中学受験を断念することについて反論していきたいと思います。
中学受験のメリットは、主に4点あると考えています。
個人的に最も大きなメリットとしては、特に理社において社会一般常識として知っておきたい知識を多く学ぶことができること、下手すれば高校受験並みの知識量の詰込みになります。
これは、義務教育課程でぜひ覚えておきたい社会では日本地理、歴史、公民の基礎を学び、理科では四分野の知識や計算に触れることができ、その後の理科という科目を鍛える基礎を学ぶことができることです。大人になって一般常識として習うものを頭の柔らかい小学生のうちに習得してしまうのはとてつもないメリットということができます。この時点で理科と社会において、仮に大学受験を経験するとしても公立中進学のお子様に対して中学一年生の時点では圧倒的に大きなアドバンテージを持った状態になることができるのです。
子どもたちによく言うのは「テレビのクイズ番組で知っている問題がでてきたら嬉しくない?テレビの解答者より詳しかったら嬉しいと思うんだよね~」ということです。
また、ここで注目しておきたいのが、いくら中学受験において偏差値がサピ、四谷、日能研で30台だったとしても、適切な指導を受けていれば普通の小学生の数倍も勉強する、ということができているであろうことです。この、一日に何時間も勉強した、という精神力と集中力はその後、別のことに取り組む際にも必ず役に立ちます。私は今のところこの集中力は勉強、研究とゲーム、そしてYTの解説を作るなどの授業準備の仕事などにはいかされていると思っています。
また、科目ごとの話になっていきますが、算数の問題ではたくさんある武器の中から、設問で読み取ったヒントをもとに自分が使う武器を決めて勝負する、という柔軟な思考力を手に入れるチャンスがあるということです。中学受験算数は学校によって「努力してきたことを確認するベーシックな出題をする」学校と「努力はほどほどに、柔軟な思考力により応用して問題に取り組めるか」を問うてくる学校に二分される(もちろんグラデーション込みですが…)と思っています。皆様の志望校がどちらの学校なのかについては問題の難易度などを見ていただければ、ほぼ理解できるはずです。特に、後者の能力は頭の柔らかい児童である期間だからこそできるものと考えられています。
次は、ほとんど国語という科目に終始します。近年の他科目の問題も、設問の聞き方が複雑になってきています。活字離れが進む現代において、50分で多くて1万字もの文章を読み取るということは読書好きのお子様でない限り現代のお子様が経験することはないでしょう。また、読書好きのお子様もほとんどは物語文やあっても特定のジャンルの説明文に偏り、様々なジャンルの説明文に触れる機会はほとんどないと言えます。その意味でも、特に説明文を子供のうちから触れていることは、ほとんど新聞を読んでいることと同様の読解力の特訓となりますし、設問に答えながらさらに文章の理解を深めていくことができます。
そして、最後はデメリット的な要素もあるかもしれませんが、短期間に大会があるスポーツで味わう以上に数年間の努力の集大成としての受験の結果という一部においてはむごい現実、そして、一部においては普通には得難い喜びを若干12歳になる年度で経験する、という点です。
この受験という1回のテスト、基本的にはたった2~3時間のために数年かけて努力をし、〇や×を数日の間に立て続けに経験する、ということはスポーツにおいては連戦のあるリーグ戦を行える環境にしか存在せず、基本的に少年スポーツはトーナメント制を敷いていることから、この恐ろしいまでの感情の起伏は唯一無二のことだと思っています。
しかも、採点競技ではないスポーツでは、途中で採点、スコアがつきます。受験はそれが全くありません。できたかもしれない、できなかったかもしれないという思いを抱えながら次の試験に向かいます。このメンタルの保ち方は音楽のコンクールなどでもなかなか経験できることではありません。
昨年深夜のテンションで書き連ねた記事をこれまた今年の深夜のテンションで書き直しました。私は基本的に塾側の人間ですから、中学受験をして、最後まで頑張りぬいた例とその子のその後しか知らないために偏った文章になっていることは間違いありませんし、子供を持つことにはならない(皆さまみたいにお子様に対して「我慢」をできるほど大人じゃない)と思っておりますので、保護者様の気持ちを実感するということはきっとないと思っております(だからこそ、保護者様のホンネを知りたいと思い、ここに所属させていただいております)
皆様の力に少しでもなれたらと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします






