前回の記事で志望校判定テストは「ボリュームゾーンが偏差値を下げるテストである」と書きました。では、新年度のクラス分けで使用する校舎のお子様は、一つでも上のクラスで授業を受けるためには「志望校判定テストを受験しない」という選択肢が出てきてしまうのではないか、と考えたことのある保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、そこはいったん端に置き、難しい志望校判定テストをご受験いただく必要があります。確かに、偏差値40台の学校を志望しているお子様には志望校判定テストの難度はとても難しいものになるでしょう。受けなければ志望校判定テストを除外してのテスト成績になるので、クラスも上がる可能性は大いにあります。
本質にはいるために質問を変えましょう。
普段やっている基本問題などの反復の目的は一体どこにあるのでしょうか。
直しを延々とやっている目的はどこにあるのでしょうか。
組分けテストですか?
クラスアップですか?
いいえ。本番の入試で合格を勝ち取るためのものです。
もちろん、難問を一切出さない学校もあるでしょう。現状受ける学校の選択肢にそのレベルの出題が全くないお子様もいることでしょう。
しかし、私はこう考えています。
手段が目的に変わった時点で、それ(目的)は破綻する、と。
つまり、普段の反復演習をしている理由、ゴールたる難問なくして、もしくは実戦なくして練習などありえないと考えているのです。だからこそ、基礎基本を反復している、あるいはそれで精いっぱいであるAコース、Bコースのお子様にこそ、その子が本当は受けようとしているレベルの難問と向かい合ってもらいたい、それによって「こんなレベルの問題が出るのか」であるとか「このレベルにつくにはもっとできるようにならなければ!」とかを感じてほしい、そう思います。
そして、Bコース生の場合は正答率が50%越えの問題が解けていないのであればそこの直しは必須でしょう。Aコース生の場合は講師に質問してでも正答率75%以上の問題はできるようにならなければなりません。ですが、そのレベルの問題が組分けに比べて少ないのが例年の志望校判定の特徴です。つまり、ボリュームゾーンが偏差値を下げる原因はそこにあるのです。だからこそ、少し背伸びをする必要があるかもしれません。問題としては難しくなくても、古い単元だったために解き方を忘れていて正答率が下がっている可能性もあるのが、国語以外の3科目の難しいところです。一方で国語は純粋に毎回組分けより問題を難しく作ります。なので、当然のごとくボリュームゾーンは苦戦するように作られていますので、正直国語の成績が下がるのは仕方ないということもできます。しかし、ここでこそ、解き直しのやり方を固める良いタイミングといえます。
また、月末の組分けテストは下巻の全範囲が復習単元として出ると言われることもあります。つまりは志望校判定の解きなおしこそが月末の組分けの対策となるのです。
校舎によっては月末の組分けテスト一発でSA,SB,SSを決めるという形になっている場合もあるのではないでしょうか。ぜひ、志望校判定テストを活用して、新学年になる前に不足ある単元の確認を!!