数日遅れですが、立春の候、一年で最も寒い季節ですがいかがお過ごしでしょうか。
さて本日は新小6のセミナーはあって小5、小4のセミナーはないのかという皆様の疑問にお答えする形で、新年度に向けた皆様への記事となります。
校舎によっては昨日今日で新小4、新小5に向けては新年度オリエンテーションみたいなことをやっているのではないでしょうか。今回はそのオリエンテーションを基軸として記事を作成しております。
皆様ご存じの通り、中学受験の新年度は東京・神奈川の受験解禁日である2月頭からとなっており、多くの塾では2月の初週は受験生対応により授業がない週となっていたはずです。
つまり、お子様にとっては少し早めに背伸びをして新学年を迎えることになります。私も、少し早く新学年を迎えるにあたってすこし早く5年生、6年生になった気分になっていました。
ふつう、塾では1月や2月の入塾金を無料にして、新学年から入塾してしっかりカリキュラムをこなしてもらおうとするはずです。特に11月の全国統一小学生テストなどのカウンセリングなどでそのような話があったのではないでしょうか。(我が家の場合、4年生の1月に私が中学受験をしたい!と母に申したようで、それに準じて親が調べたら「運がよく」「丁度」新学年が2月からだ、という校長のトークに乗せられてそのまま体験→入塾となった変なケースですが…)
さて、本題に戻りましょう。新年度お子様ができるようになるべきことは、
「新年度の長くなったスケジュールに慣れる」ことです
(なんかいつもこのスタイルで書いていますね。)
小4は早稲アカ生であれば小3に比べて国算の時間が50分伸び、理社は変わらず50分だが映像授業ではなくなるということ、それに伴い、10分休憩での軽食なども必要に応じて用意する必要が出てくることが挙げられます。
また、早稲アカ生は隔週の4教科カリキュラムテスト(理社15分、国算30分)が、四谷大塚生は週テスト(国算40分ずつだっけ…忘れてしまいました…)
小5は最も大きく変わり、週2だった授業が週3になり、国算のいずれかと理社のいずれかを100分+50分だったものが国語算数の日×2で100分×2、理社の日100分×2という突然のハードスケジュールになります。また、カリキュラムテストは理社が20分になったはずです。四谷大塚生はすぎさんの記事にある通り、YTが4教科になります。
このスケジュール変更に伴い、教室において子供たちに現れる最も顕著な変化は
体力がもたないことによる「集中力の低下」です。
1コマ目はまだよいのですが、小4であれば理社、小5であれば2コマ目の体力が持ちません。
私のスキル不足もありますが、少々大人になった小5社会は楽しく授業ができるので集中力を持たせて「授業短い!」と言わせることができますが、小4の理社は正直厳しいです。
次のことを想像してみてください。
新小4の場合、最初の50分集中していればあとは楽しい映像を見るだけで授業が終わっていたのが、国語算数が50分伸びた後も、理社で板書を取らなければいけなくなりました。
新小5の場合それまでは講師の話を聞き、ノートを取るだけでよかった50分が100分の国語、算数の授業に変わったのです。
例えば100分の算数を受けた後、疲れたところに昨年度より圧倒的に難しい国語の文章題が20分や25分という演習時間で降ってくるのです。
果たしてどれだけのお子様が(特に国語を苦手としている場合)この「苦行」に耐えることができるのでしょうか。
逆に、100分の国語を受けた後に国語に比べて圧倒的な演習量が降ってくる算数を100分受ける身になったとしたら。それぞれの問題の中でわからない問題にあたったときにおしゃべりな子が「わからない!」と言い始めたらクラスのお子様の頭の中にあった「わからない」がさらに噴出してくるのは容易に想像ができるでしょう。
私は受験を小5から始めたのでそれが当たり前だと思っていましたが、50分+映像50分という楽しい授業(小3)が100分+説明50分(小4)に変わることや、一年かかって慣れた100分+50分で解放されていた経験(小4)が、100分+100分(小5)となるのです。特に後半50分が苦痛になるのも理解できます。
私は講師側からの感覚しかありませんが、隔年で5年生、6年生の持ちあがりをしつつ、後者のコマ割事情によって小4の授業や小3の授業を空いている日にもつので、経験を経るごとにこの子供の様子の変化が見て取れるようになってきました。
小5の頭になってお子様が「算数がわからなくなった」「国語が難しくなった」と言い出す原因はもちろん教材のレベルの高さもありますが、集中力の問題の可能性も非常に高くあるとお考えいただければと思います。
子供の集中力をはかる一つの方法として、一度、カリキュラムテストや週テストをもらって家で実施させてみる、という方法があります。
現場で小4の初めごろのカリキュラムテストの様子を見てみると、制限時間の後半には完全にあきらめているお子様が目立ちます。そして、その子たちに声をかけても簡単に反応してくれないのです。さすがに小5になると減ってきます。
テストと授業で毛色が違うのは当然ではありますが、講師の力量だけではどうにもならないお子様の精神的成長を促す必要もあります。
また、宿題のサイクルも大きく変わることでしょう。
早稲田アカデミーの本社指示による一週間の家庭学習時間の目安は以下の通りです。
学年 科目 学習時間の目安
小3 算数 60分
国語 60分
理科 30分
社会 30分
小4 算数 150分
国語 120分
理科 60分
社会 60分
小5 算数 240分
国語 120分
理科 120分
社会 120分
小6 算数 240分
国語 120分
理科 120分
社会 120分
個人的にこれを見て思うのは国語に時間かけすぎかなあということと、理社に対する算数の時間の割合は小4にあるような2.5倍~3倍が適正かなあと思うところです。
ということで個人的見解としては、宿題にかけるべき時間は
小5 算数 240分
国語 80分
理科 80分
社会 80分
調整 120分
小6 算数 240分
国語 60分
理科 80分
社会 80分
調整 120分
となっています。調整は苦手補強や算数の追加時間として使っていただいてよいと思います。ただし、SAのお子様の場合は元の表の長さでよいと思います。(調べたり、直したりする時間が多いため。)
新小4、新小5に対してオリエンテーションを行っている校舎があるのは、この学習時間と授業時間の増加にしっかり対応できるように頑張ろう、という全体に向けた声掛けのためだと考えられます。一方で行っていない校舎はそれを行えないくらい「受験生対応を手厚くしている」という風に好意的に捉えましょう。5日や6日まで受験が長引いているケースは洗足や頌栄、攻玉社算数など、超ハイレベルなところの最終回を受けるケースと、全落ちあるいは納得のいくレベルの学校に合格していないケースの二つに分かれます。私も毎年自クラスだけでなく、他クラスのお子様の対応を致しますし、受験学年以外は自習室に来ることもほぼ禁止状態にします。本年も、小6担当ではないですが、比較的解き慣れている学校の受験生対応でもともと休日だったところを急遽出勤に切り替えました。それくらい、校舎一丸となって受験生に対応をします。
結論になりますが、この「新年度の長くなったスケジュールに慣れ」、宿題のサイクルを作ることを可能ならば春期講習会までにはできるようにしたいです。
可能ならば親の「管理」ではなく、毎週の「振り返り」を手伝い、試行錯誤をすることで自走できるようになることが理想です。
何かございましたらお気軽にご質問ください。本年度もよろしくお願いいたします。
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