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執筆者の写真倉田宙

志望校判定テストの位置づけと心構え② ~試験対策について~

こんにちは!倉田です!


前回の記事で志望校判定テストを受けていただきたい理由を会場の面から書かせていただきましたが、今回は「志望校判定」および「テスト」としての面での内容になります。


志望校判定テストは、六年生では必修となり「合不合判定テスト」と名を変えます。どちらのテストも範囲を定められた「組分けテスト」とは違い、「四谷カリキュラムで今までに習った全範囲」を出題範囲としています。つまり、タイトルには「対策について」と打っておりますが、「対策のしようがないテスト」となります。むしろ、「忘れている単元」、「苦手そうな単元」をお子様と話したり、お子様、あるいは保護者様が意識したりする機会と捉えるのが効果的でしょう。

ですので、志望校判定テストに向けて何か対策をしよう!という形では全く太刀打ちができません。純粋に「実力」で勝負していただく必要があります。特に理社の知識においてはおそらく完全に忘れている単元もあるかと思いますし、算数も単元の基本的な解法を忘れているお子様も多いことでしょう。その分偏差値においていつも以上に差が出やすくなります。

また、国語の文章題も組分けテストに比べ難易度を上げ、選択肢のダミー度(本文に近い表現を増やすなど)が上がり、抜き出しは見つけづらく(遠くに配置したり違った言い回しで聞いてきたりする)なることで、いつも50強偏差値を持っていたお子様は特に偏差値を大きく下げがちです。場合によっては30台を経験された方も多いのではないでしょうか。大体組分けに比べてボリュームゾーンのお子様は国語の偏差値が下がることが多いと感じています。


ではどうすれば成績が上がるのか、間違え方を見分け反省する能力を鍛える必要があります。これはどの科目でも同じです。理社では言葉を覚えていなかったのか、説明のウソを見抜けなかったのか、算数ではどこをどのように計算ミス、解法を勘違いしていたのか、国語はなぜその選択肢のほうが優れているのか、あるいは自分が選んだ選択肢にウソが含まれていたか、記述の不足要素はどこにあり、それは本文からどのように導けばよいのか…。これを普段から取り組む能力が必要になります。そうすれば、どの単元がうまくいかないのか、どの考え方がしっくりこないのか、よくわかることでしょう。

一番この「直し」に取り組みやすく素早く終わるのは社会、次に少し計算単元のある理科、目に見えてモノを作りやすいのは算数ですよね。おそらく国語が一番難しいと思います。これについてはいずれまた記事を書かせていただきたく思います。


話を戻しますと、志望校判定テストを受けることにおける最も大事な要素は「志望校について考えるとても大事な機会にする」ことです。

志望校判定テストですから、当然判定してもらう「志望校」が必要となります。その中で、四年生にはまずいくつかの学校を見繕っていただくよい機会になるはずです。名前を知る名門校、近くにある有名校など、選択肢を増やしていただくよい機会です。お子様とも「中学受験」というものについて話し合う機会になるでしょう。一方で、五年生は特にこの時期になってくれば12月の面談で志望校の話も出てきていることでしょう。第一志望校に加え、ある程度お子様の実力に近いであろう学校を選んでおいていただきたいです。おそらく、コミュニケーションがうまく取れている家庭ほど、そのような学校や更なる抑え校の話まで今回の面談で出せるはずです。(コミュニケーションがうまくとれていないと、プラスの気持ちを持って帰ってもらうためにいいことしか言わない面談をする場合もあるので…。)

講師側の考えとしては五年生の冬の志望校判定テストで全てD判定が出ている場合「まだこのご家庭、夢を見ているな…」という見方にどうしてもなってしまいます。一方で、B判定やA判定が出る学校を書いていただいている方は「そこまで見ていただいているのね」という風になってきます。


またお子様目線では、たとえ同じ偏差値だったとしても、Dしか並んでいない結果表と、BやAもある結果表では見え方が大きく違ってきます。安心して、第一志望校に向かっていけるでしょう。実際の入試もそうです。例えば2回日程のある法政第二中や聖光学院中、頌栄女子学院中などを第一志望にしていたとして、一度目に残念ながら不合格を得てしまった場合、二度目の日程までに合格を持っているお子様と一つも持っていないお子様では目の色が全く違います。コロナ禍でなくなっていますが、以前はあった入試応援(会場校に試験当日、それぞれの塾の講師が赴き、受験生と握手を交わし、勇気を与えるイベント)、2月4日のとある学校での出来事をご紹介します。

私が携わっていた二人の生徒でその日まで合格がなかったお子様が二人いました。二人とも、ここまでにあった抑え校も落とし、3日の午後、4日の対策のためそれぞれ個別に呼び、その学校の国語と社会の対策をしました(他担当が算数と理科の対策をしました)。そして4日、会場に現れたのは目に色があったお子様と、そうでなかったお子様。結果は前者が合格。後者のお子様はその後もう一つ、別の学校を受験し不合格、中学受験をすべて不合格で終えるという講師として最も不甲斐ない結果を生んでしまいました。この子の経緯、そしてあの期間見せた顔、一生私の脳裏に焼き付いて離れません。


たとえ合格した私立を選ばず、公立中に通うことになったとしても、どこか合格を取っているお子様とそうでないお子様は高校受験に対する、「受験」という行為に対する考え方は変わります。どうか、五年生の皆様は抑え校を一つ以上見ておきましょう。行くか行かないかは別として、メンタル面のケアとして、考えることは大事だといえます。


ぜひ、よい受験にするために、志望校判定テストをご活用ください。

記事の続きは…

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