top of page
執筆者の写真大谷琢也

国語の学力を伸ばすためには?⑯<論理力・心情記述>

更新日:5月5日




中学受験Three Starsの国語担当、大谷です。

「国語の学力を伸ばすためには?」をテーマにしたブログ第16回です。

今回は「心情記述」の基本ロジックです。小4の生徒さんはまずこのかたちをマスターすることからスタートしましょう。


……………………………………………………………………………………………………………僕は小学校5年生。中学受験をするために塾に通っている。最初は塾も楽しかったんだけど、テストは難しいし宿題は多いし…

だんだん嫌になってきた。最近はこっそり宿題をさぼってしまうことも多い。うちの家は共働きで両親ともに仕事で忙しく、

「宿題はやったの?」とは聞かれるけれど、ノートを見ることまではしてこない。

なので、「うん。大丈夫。終わってる」と答えておけばそれで平気だ。

そんなある日曜日、塾から電話がかかってきた。そういえば算数の先生が変わったので、今度挨拶の電話をするって言ってたっけ。

僕は、なんとなく気まずくて、母さんが電話で話している間、自分の部屋で勉強していた。

少しして、部屋のドアが開いた。

振り替えると、母さんが顔を真っ赤にして立っていた。

「あんた!塾の宿題、いつも半分くらいしかやってないんだって!?どういうことだい!?」

やばい、ばれた。

僕は必死で言い訳を考えた。

……………………………………………………………………………………………………………


【問題】

「母さんが顔を真っ赤にして立っていた」とありますが、この時の母さんの気持ちを40字以内で書きなさい。


こういう問題があったとします。

気持ちを答える問題なので、まずはロジック4「行動・表情・セリフを心情語に言い換える」を発動します。

「顔を真っ赤にして」という表情は「怒っている」「恥ずかしい」といった気持ちに言い換えられます。

また、心情は「できごと」があって発生しますので、設問部の前の「できごと」をまとめます。

すると、「息子が宿題をさぼっていて、自分に嘘をついていた」このように表せます。


このできごとに続く気持ちになればいいので、

「息子が宿題をさぼっていて、自分には嘘をついていことを知り、激怒している。」

という「心情記述」が完成します。


この「できごと+心情」というフォームが、心情記述の基本フォームです。



さて、では次の問題だとどうでしょう?


【問題】

「母さんが顔を真っ赤にして立っていた」とありますが、顔を真っ赤にしていたのはなぜですか?40字以内で書きなさい。


この問題だと、「理由」を問われていますので、設問部の前の「できごと」をまとめ、

「息子が宿題をさぼっていて、自分に嘘をついていたから」という解答が浮かぶと思います。

ところが、この要素だけだと「半分」しか点数をもらえません。なぜでしょう?


ロジック4ともつながりますが、人間の「行動・表情・セリフ」が発生する理由は「心情」です。

たとえば

「父に初めて殴られて、僕は泣いた」というシーンがあった場合。

「泣いたのはなぜですか?」と聞かれると、「父に殴られたから」と答えたくなります。

ところが、泣いた時に「悲しかった」「怒った」「嬉しかった」このうちのどの心情が発生しているかで、内容は大きく変わりますね。

「初めて父に自分を殴らせてしまったことに申し訳なさを感じたから」

「自分の気持ちを理解せずに殴ってきた父に怒りを感じたから」

「自分のことを思って殴った父の気持ちが嬉しかったから」

殴られた時の心情によって、これだけ解答に分岐が生じます。


このことからも、「行動・表情・セリフ」に「なぜ?」と問われたら、「できごと」ではなく「心情」を答えるということが分かりますね。


【問題】

「母さんが顔を真っ赤にして立っていた」とありますが、顔を真っ赤にしていたのはなぜですか?40字以内で書きなさい。

【解答】

「息子が宿題をさぼっていて、自分には嘘をついていことを知り、激怒したから。」

「気持ちを答えなさい」という問題も、「なぜですか?」と聞かれる問題も、解答はほぼ同じになりますね。


【物語文を解くロジック】

その5.「なぜですか」には きっかけ+心情 で答える


物語文の心情記述の練習はまずこのフォームを使うところからスタートしましょう!



 このロジックは、中学受験Three Starsの動画

・小4上 第1回、第6回

・小4下 第17回

・小5上 第1回、第2回

・小5下 第18回

・小6上 第1回

で扱っています。動画の解説を参考にしてください。

それではまた来週!


閲覧数:356回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page