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国語の学力を伸ばすためには?⑲<論理力・論説文 言い換え記述>




中学受験Three Starsの国語担当、大谷です。

「国語の学力を伸ばすためには?」をテーマにしたブログ第19回です。


【国語を読み解く10のロジック】

その7.言い換え記述は 具体⇔抽象のコンボ


前回の続きです。実際の入試問題を使ってロジックを確認していきましょう。



まずは次の文章をお読みください。


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実際の生活の中で刀がつかわれなくなったのだから、べつに刀の技術などなくても困らないと思うかもしれませんが、ことそれほど単純ではありません。

刀の技術というものは単に日本刀だけではなく刃物全体の技術に直結します。

しかも刃物はものをつくる際の基本的な道具です。最初に日本製の鞄はすぐれているという話をしましたが、鞄を例にとると、革鞄をつくる際にはさまざまな鉋が必要になります。

しかし刃物職人の減少により、鞄職人が満足できるような鉋が今ではほとんど生産できなくなっています。

鞄職人の中には、自分が生涯つかう分をまとめてつくってもらい、とっておく人もいるそうです。


永六輔氏が、和紙を漉く時につかう簀子(すのこ)をつくる鉋が無くなっていることに危機感を持ち、探しまわっていた時の話は印象的です。

彼は手をつくして探したのですが、求めている鉋はどこにもありません。

ある時、京都の錦小路にある古い刃物屋の前を通った時に、「ひょっとして」と思った彼は「紙漉きにつかう刃物はありますか」と聞きました。

すると店主が「裏に回ってください」と言うので行ってみると、何年も探していた鉋が荒縄で縛って何十枚も置いてありました。

昔これをつくっていた職人が「いつか誰かが探しに来るから、その時に分けてやってくれ」と言って置いていったそうです。

店主は「何十年もそのままにしておいて、そしてあなたが今日探しにきた」と言ったそうです。

感動的な話ですが、つくる側の悲しい現実がそこにはあります。

熟練した職人による技術が消滅の危機にあることはよく言われていますが、実は職人よりも彼らがつかう道具の方が先に無くなってしますというほどの深刻の危機なのです。


(平成22年度栄光学園中入試問題より 文章は栄光学園国語科による)

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問.「つくる側の悲しい現実」とはどういうことですか?


まず「どういうことですか?」という問いは、「言い換え記述」で考えます。

この問題であれば、「つくる側」「悲しい現実」このふたつを具体的に言い換えていきます。


さて、この文章だと「永六輔氏が~」から、「店主は「 」と言ったそうです」という部分までが具体例になり、これを受けて「つくる側の悲しい現実がそこにはあります」とまとめています。

ここに「具体⇔抽象のコンボ」が発生していますから、この「永六輔氏が~」から始まる具体例を、抽象化する作業が必要になります。


・簀子をつくる鉋を探しまわったがどこにも見つからない

・京都の刃物屋でやっと見つかった

・それは何十年も前から探しにくる人を待っていたものだった


この具体例で言いたかったことは何か?

抽象化すると「素晴らしい技術でつくられたものも、需要が無ければ買い手が現れない(何十年もそのままだった)。」と言い換えられます。


その結果「買い手が現れないため仕事が減り、道具の作り手も減っていく」ことになるので、その後の文章にある「職人よりも彼らがつかう道具の方が先に無くなる」につながるわけです。



まとめると、

つくる側  → 素晴らしい技術を持つ職人

悲しい現実 → 優れた道具を作っても、需要が無ければ買い手が現れない



解答例

「素晴らしい技術を持つ職人が優れた道具を作っても、需要が無ければ買い手は現れないということ。」


このように、具体例を抽象化することで解答を作成していきます。



論説文は、「自分の意見を他人に伝える文章」であり、他人にわかりやすく伝えるために「意見を具体例をつかって説明する」ことが一般的です。

具体例は具体例としてだけ読まず、「どんな考えを導くためにこの具体例をもってきたのか」を意識してみましょう。



このロジックは、中学受験Three Starsの動画

・小4上 第18回

・小4下 第9回

・小5上 第11回

・小5下 第6回、第7回、第14回、

・小6上 第4回、


で扱っています。動画の解説を参考にしてください。




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