【国語を読み解く10のロジック】
その8.対比キーワードは対立構造でまとめる
中学受験Three Starsの国語担当、大谷です。
「国語の学力を伸ばすためには?」をテーマにしたブログ第21回です。
前回のブログの続きですので、まだお読みでない方は20回の記事を読んでから参加してください。
さて、作問を宿題にしていましたが、皆さんどんな作問をされたでしょうか?
まず、仮にこの文章が入試問題だったとして、この文章をチョイスした先生は、「お。ちょうど対比構造の論説文があったぞ」と思ってチョイスしたはずです。
そうすると「この文章の対比構造がきちんと理解できているかどうか」を試す問題を作問するはずですね。
つまり「対比構造の論説文には、対比構造で解く問題が出題される」という当たり前といえば当たり前のロジックが成立するわけです。
そういう視点をもって、「対比構造で解く記述問題」を作問してみましょう。
【対比構造で文章をまとめる】
【日本の建築】
・自然との調和が重視
・風景や季節の移り変わりを感じられる設計や配置
・自然と建築の間に繊細な境界がある
・人間と自然は一体である
・自然を尊重し、調和する姿勢
【西洋の建築】
・自然は人間の支配や利用の対象
・都市の機能や人間の活動を重視した都市計画や建築物
・自然の要素は装飾や象徴
・自然を制御し、利用する姿勢
このようにまとめられます。
これがしっかり理解できるかを試すためには、次のような問題を出題すると良いでしょう。
問.日本と西洋の建築に表れている違いを100字で書きなさい。
解答.日本の建築は、人間と自然は一体であるという考えから、自然を尊重し調和する姿勢が見られるが、西洋の建築は自然を支配や利用の対象とし、自然を制御し利用する姿勢が見られる。
「人間と自然は一体である」「自然を支配や利用の対象とする」が対比、
「自然を尊重し調和する姿勢」「自然を制御し利用する姿勢」が対比、この4つを3点ずつの部分点として12点満点で設定します。
文章が単純なので簡単にまとめられますが、実際はもっと長い文章の全体から対比構造を見つけることが必要です。
つまり、「対比構造の文章だな」と気づき、「対比キーワードと対比説明をチェックしておこう」と作業しながら読めば、あとはその材料で解答が作れるはず!というロジックです。
論説文に線を引きながら読む習慣は身に付けたいですね!
このロジックは、中学受験Three Starsの動画
・小4上 第3回、第8回、
・小4下 第13回
・小5上 第4回、第13回、第14回、第15回
・小6上 第12回、第16回
で扱っています。動画の解説を参考にしてください。
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