2024組はほとんど受験が終わり、本当にお疲れさまでした。うまくいった方は純粋におめでとうございます。そしてうまくいかなかった方も、その中で人生に大きく影響を与える選択をすることがあったのではないでしょうか。何かの検定試験を受けることや大会、コンクールに出場して賞を狙うなどという経験は他のことでもできますが、今後の6年間、あるいは10年間を決める出来事というのはなかなか12歳でできる経験ではありません。
中には1日の結果、あるいは2日の結果によりショックで立ち直れず、次の日の試験に向かえないという事態や、本人だけでなく親がプレッシャーにやられて発狂してしまうケースなどもあります。うまくいってもうまくいかなくても合格発表の連絡で号泣してしまう生徒がいるほど、(今年私はどちらも経験しました。) 親も本人も強い意志をもって参戦する以上、本当にすべての家庭に大きな物語をもたらすのが中学受験です。
さて、塾側からしたら、中学受験の結果というのは外面的には御三家など最上位校など上位クラスの合格実績が最も重要視されると言われがちですが、現場で対応している一講師からすると、合格者の対応よりもうまくいっていない生徒・家庭の対応の方が大事です。
第一志望に合格した生徒の多くは「挨拶に行きたい」と仰いますが、その対応をしている余裕は正直我々にはありません。特に初日は全ての生徒に合格、不合格がつきますから、不合格者の対応に完全に追われて、他クラス担当、あるいは他学年担当まで出てきて対応にあたることがあります。
現小5生や小4生の皆様は現在授業がお休みではないでしょうか。これは受験担当が授業に出ている余裕がないことを明確に示しています。正直授業をやっている余裕なんてありません。(一方で日曜日、中学生担当は日曜講座などで出払ってしまいます。今年は2月4日でした。)
今年の私の場合、算数担当が中3(2週間後に本番)の授業を担当しており、さすがに離れるわけにいかず、一方でなかなか初日はいい結果がでなかったため、不合格のお子様の中でも同じ学校を受験するお子様には校舎に来ていただいて、あるいは保護者の方同伴でご来校いただいて、次の日に備えるという一日を行いました。ですので、〇〇さんいらっしゃいましたと他のご家庭にいらしていただきながらも、自分はほかの家庭の対応をしているので、他のクラス担当、科目担当に仕事を振り、その中で私が算数の問題も含め、うまくいかなかった問題を一緒に解くなどを行っていました。11月の面談の時点では頑なに拒まれていたプランの変更の提案や失敗原因の分析と短いアドバイスなど、様々行いました。
(話は逸れますが、おさえのおさえを用意しておくのは本当に重要です。今年も初日に特攻プランで×になって2日まで合格がなく家庭が混乱しているところで冷静に3日の学校を提案し、4日で第一志望に逆転する例がありましたし、初日失敗して二日目におさえのおさえを受験したことで気持ちがとても落ち着いたという連絡もいただけました。塾のプランとして全落ちを作りたくないからとかいう浅い部分ではなく、お子様が我に返るためにも基本的な問題を解いて気持ちを落ち着かせるという行動は非常に大事になります。)
また、営利企業的な話をまたすると、受験がうまくいった家庭というのは基本的にロイヤリティがマックスレベルであることがほとんどなので、何か新しい対応は必要がありません。一方で、うまくいっていない家庭はその後マイナスなことを言われてしまうとその家庭の周りからは新規入塾が望めなくなるでしょう。一方でうまくいかなくても誠心誠意対応していれば、苦しいときに対応してくれた、そして、あわよくば逆転合格のストーリーにできるきっかけになります。塾の評価の向上につながりますよね。
2月1日にユウキ先生がXで「ダメだったら疲れていても塾に行く」とのポストがありましたが、講師側としても「クレーマー的な感じにならないかな…」と遠慮されるより、「この時間に校舎に行きます」としっかりご連絡いただいた方が我々も助かります。(というより、もうあと数日の関係なのですから、クレーマー的にならないかなどと心配する必要はございません。) 我々は最後までお子様の対応を全力でするはずです。
ぶっちゃけると現場の講師(私)は営利企業的な部分よりも感情で「今まで担当していたこの子が苦しんでいる…少しだけでも力になれるならなんだってやってやる…!」というようなスタンスです。利害関係とかそういうことを考えていられるようなどっしりとした精神を持つことができるようには…ならないと思います。こういう部分はどんなにキャリアを積んでも変わらないでいられるようにしたいです。
お読みいただきありがとうございました。
Comments