中学受験Three Starsの国語担当、大谷です。
「国語の学力を伸ばすためには?」をテーマにしたブログ第4回です。
ここまで「要約力」をテーマに、説明文・論説文のポイントを書いてきました。
国語力を伸ばすトレーニングとして、100字前後を目安に要約を書かせてみましょう。
口頭でも、図解でも、お子さまの特性に合ったもので大丈夫です。
さて、今回は「物語文」がテーマですが、結論から言うと物語を要約する練習はあまり必要ありません。
四の五の言わず最初から最後まで一気に読んでしまいましょう。
「登場人物にまるをつけよう!」という国語の先生がいます。チェックをすることに意味がないとは言いませんが、まるをつけることに意識がいってしまって本文を読むスピードが落ちますので、物語は一気読みしてしまうことをおススメします。
(もちろん、人によって最適解がありますので、お子さまに合ったスタイルを模索してください)
一気読みした後で、あらずじを理解しているか口頭で確認するのが良いでしょう。
確認するポイントは、
・主人公の背景
(転校生・弟妹の世話をしている兄・勉強が苦手な男の子・友だちとケンカした女の子…などなど)
・できごと
(お母さんが手術のため入院することになった・夏の大会でレギュラーになれなかった・ケンカした相手の本音を聞いた)
→ここでも「具体と抽象」が重要になります。具体的なできごとを「つまりどういうこと?」と問いかけ、まとめさせてみましょう。
・心情の変化
(反抗していたお母さんへの愛しさを感じた・ショックだったが受け入れ自分の役割を果たそうと決意した・相手を理解してこようとしなかった自分を反省した)
この3点が基本セットになります。この3点を口頭で確認することを続け、意識的にたどりながら読めるようになると、自然と解答根拠も見えるようになってきます。
なお、四の五の言わずに一気読み、と言いましたが、ひとつだけしておいた方がいいチェックがあります。
それは「場面分け」です。
場面が転換したタイミングを見逃さず、チェックを入れながら一気読みをしましょう。
場面の転換ポイントは、「時間」「場所」「人物」「事件」の変化です。
「時間」の転換が見つけやすくかつよく描かれているので、レクチャーするには最も効果的です。
個人的には「事件」の転換に気がつく意識づけができると問題が解けやすくなると思っています。
物語のポイントとして、他にも「情景描写は心情を映す」「冒頭の設定から展開を予測する」「意味ありそうな小物は象徴」「寓話は教訓を読み取る」といったものがありますが、これらはまたどこかの機会で。(動画でも紹介しています)
最後になりますが、お子さまの国語力を伸ばすために保護者ができる最大の務めは「物語の続きを図書館で借りてくる」ことです。
できれば借りてきた本を親御さんも読んで、「続き面白かったね!」と声掛けしましょう。
今回のお話しはここまで。
次回は随筆文のチェックポイントをお話しし、要約力については一旦おしまいです。
物語文の読解ポイントは、中学受験Three Starsの動画でいうと
・小4下 第12回
・小5上 第12回、第19回
・小5下 第1回、第13回
で扱っています。時間がある時に動画で予習しておいてください!
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